工務店で見習いとして働いていたときに、その工務店そのものが所有する単身者用のアパートがあり、築10年くらいのやや古びた雰囲気のあるものですが、そこに安い賃料で住み込みで働いていました。
その時に、アパートの外壁塗装の塗り替えをすることになり、どのような色がいいか、相談して決めることになりました。現在の色は青で、やや地味で、その土地の雰囲気を考えると、暗い色だとますます周囲が暗くなるような気がして、明るい色にするのはどうかと提案しました。それで黄色と肌色の中間のような色にしてみるかということになりました。
自分もそのアパートに住んでいるということで、いったいどんな感じになるのか、不安を感じつつ、工事が始まり、足場、ネット、下地処理などが行われていき、最後に吹き付けの作業となりました。
そして完成した色は、その地味な雰囲気の地域では異色のカラーで、あまりにも目立っていました。
色自体は悪くないのですが、派手過ぎて、ぱっと見、郊外にある派手な娯楽遊戯施設のように見えてしまうのです。
ちょっとこれは失敗だった、とすぐに思いましたし、これではここに住みたいと思う人が少なくなるのではないかと懸念しました。
なんだか娯楽遊戯施設に出入りしているような、そんな雰囲気になってしまったのです。
目立ち過ぎも良くないことがわかりました。